基礎知識

ラオスコーヒーとは

2020年時点で年間生産量185,721tで生産量ランキングで11位を誇る(タイは28位)

標高1200m程の良好な火山灰土壌で雨季と乾季のあるモンスーン気候であるパクソン郡のボーラヴェーン高原にコーヒー栽培の約9割が集まる。1万5,000人~2万人の人達が小規模農園でコーヒー豆の生産を行っている。普通の農園では無農薬、手作業で栽培や収穫が行われていますが、一部の大規模農園を運営するところでは近代的な設備による高品質な物が作られているらしい。

 


ラオスコーヒーの歴史

1910年代にフランスからコーヒーの苗木が持ち込まれたのがラオスコーヒーの始まりである。当初はラオスの政治や内戦の影響でコーヒー豆の生産はほとんど発展していなかった。しかしラオス政府がコーヒー豆の生産を復興する改革支援を始めたことで状況は一変する。

ラオス政府は、コーヒー産業を復興させるために改革支援を始めた。国民の所得増を目指してアラビカ種の増産にも取り組み始めて徐々にラオス産のコーヒーは生産量を増加するようになる。もともとコーヒー栽培に適した環境が整っていた事や海外諸国と2000年頃(その頃丸紅がベトナム企業と提携しラオス産コーヒー豆輸入というニュースを聞いたことがある)、小規模農園とフェアトレード契約を結んだりしてラオスのコーヒー産業は現在のように成長していった。

 


ラオスコーヒーの品種


ティピカ種

言わずと知れた品種エチオピアからジャワ島、オランダ、フランスといった形で移っていき植民地時代にラオスに持ち込まれたもの。アラビカ種の中でももっとも古い変異種。

樹は大きいが収量はやや低め。トロピカルフルーツのようなフレーバーで広く好まれる。病害虫に弱い。熟すのも一斉ではなく数か月かけて疎らになるので生産性が低く、ラオスでは後述するロブスタ種の栽培を優先する農園も数多く存在する。

海外に輸出されているのは、おもにこのティピカ種や、次に紹介するカティモールである。

 

カティモール種

ポルトガルのさび病研究所にて開発されたカトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配種

さび病への耐性があり、密集して栽培できる小さなサイズで、収穫量が多い

ティピカに比べれば若干重く濁りがある。

 

ロブスタ種

カネフォラ種の中の変異種の一つ。デリケートなアラビカ種に比べ病気や害虫に強い。独特の苦味、力強い味わいと香りを持つ。現地で主に消費されており、ブラックコーヒーとしてではなくコンデンスミルクを加えて飲まれる。前の2つに比べて味が劣ると言われているが、生産性の高さやインスタントコーヒーへの加工のしやすさから広く栽培されている。